兼業主婦マツノの日毎夜毎

出産・育児・家事・仕事のドタバタ劇を拙いイラストを中心に綴っております。趣味の写真、観葉植物、切り花、グルメ情報やレシピなど様々なカテゴリーも!

280日後に会いたかったあなたへ⑤

 

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※死産の内容を綴ったものなので

ご理解のある方のみご覧ください※

 

前回までの続きはこちらからどうぞ⇩

 

280日後に会いたかったあなたへ①(胎児スクリーニング)

 

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280日後に会いたかったあなたへ②(赤ちゃんの病気判明、夫婦で話し合い)

 

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280日後に会いたかったあなたへ③(胎児専門クリニックへ転院受診)

 

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280日後に会いたかったあなたへ④(胎児ドック、羊水検査)

 

 

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1周忌の節目に描いたこちらの記事もぜひご覧いただけると嬉しいです。

 

死産後の生活〜一周忌ではなく誕生日と呼びたい理由〜

 

 

 

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それでは続きをどうぞ⇩

 

 

 

 

 

ついに確定。羊水検査の結果は…

 

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大阪の胎児診断専門のクリニックに紹介され

胎児ドックと羊水検査を受けることになりました。

 

 

胎児ドックの中で行われる精密なエコーで

赤ちゃんに染色体異常があり

心臓をはじめとした主要臓器に障害をきたしている可能性が

90%以上の高い確率で存在する。

 

そう言われ、夫と泣き明かした次の日

 

ついに羊水検査の迅速検査結果が判明し

説明を聞きに行く日がやってきました。

 

前日にあれだけ厳しい結果を目の当たりにしたのにも関わらず

まだ心のどこかで嘘であって欲しい

受け止められない…そんな気持ちを捨てられずにいました。

 

坊ちゃんは今日もお義母さんに面倒を見てもらい

夫婦2人で結果を聞くことになりました。

 

2時間ほど待って名前が呼ばれ

カウンセリングルームのようなところに通されました。

 

 

 

結果は陽性。「あなたの赤ちゃんは18トリソミーです」

 

検査結果は院長先生ではなく

遺伝カウンセリング専門の医師から説明がありました。

朗らかで優しい語り口調から出た言葉は

耳を塞ぎたくなるものでした。

 

スッと差し出された一枚の用紙。

(+)となっているひとつの箇所。

 

 

 

「18トリソミー(+)」

 

 

 

 

 

やっぱり。

 

もう、確定なんだな。18トリソミー…

 

私の口から出てきた言葉は

 

「この子は…長くは生きられないってことですか…?」

 

という言葉でした。

 

看護師をしていても分野が違ったため関わることのなかった病気。

恥ずかしいことですが、教科書で習っただけの

「18トリソミーは予後不良」ということしか頭になかったのです。

 

 

 

 

 

 

 

1年生存率はたったの10%?厳しすぎる現実

 

 

染色体異常のことについ詳しく述べたいわけでもないので

ここでは詳しい説明を避けますが

代表的な染色体異常(トリソミー)として挙げられるのが

 

21トリソミー(ダウン症候群)

18トリソミー(エドワード症候群)

13トリソミー(パトウ症候群)

 

の3つであり

 

数字が小さければ小さいほど

生命の維持に不可欠となってくる染色体に異常がみられるため

生存率が厳しい数字になってくるそう。

 

 

その中でお腹の中の赤ちゃん「とも」は18トリソミー。

 

「長くは生きられないってことですか?」

と私に投げかけられた先生はゆっくり口を開きました。

 

「確かに、今までは仰る通り予後不良として何も処置できない

 家族と残された時間を過ごしてもらうことが主でした。

 しかし、トリソミーがあるだけや手術治療ができる範囲なら、

 正直積極的に治療するところも増えているし、

 何より医療の進歩が目まぐるしい。

 在宅にまで帰ることのできる18っこの赤ちゃんを僕は何人も知っています。」

 

「18っこの赤ちゃんはね、みんな目がお大きくてくりくりで愛らしいんですよ」

 

「ほとんどが着床しない・初期で流産になってしまうところを、

 ここまで重い心疾患を抱えながら生き続け成長してきた。

 この子はとってもすごいんですよ」

 

「染色体異常は…あなたみたいな若いお母さんでもあり得る。

 もちろん確率は低いが

 変な言い方になるかもしれないけれど、宝くじに当たってしまったかのような

 そういう妊娠をしただけでどうしても避けられない

 一定の確率に当たってしまったと思うしかない。」

 

もっと沢山のことを言ってくださっていたのに

胸がいっぱいになりただただ涙を流した。

 

医療も進歩している。病気があっても可愛い。

この子はここまで生き続けた、すごい。

 

嬉しい話のはずなのに。涙が止まらなかった。

 

 

 

 

 

 

健康な子に産んであげられなかったという自責の念

 

 

前向きな話が耳に入らず、涙が出続けたのは

「健康な子に産んであげられなくて、ごめんなさい」

その気持ちが大きかった。

 

「染色体異常はどんな人でも起こりうる。若くても。

あなたの年齢や他の条件からしても「10000の1」の確率かな…」

 

 

 

 

そんな確率が今、なぜ…この子に…

元気に産んであげたかった。

お腹の中にいる今も苦しいのかな?しんどいのかな?

 

ごめんね…なんで…ごめんね…

 

その思いが頭の中をぐるぐる回り

もう全てから逃げてしまいたい、そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

院長先生からの言葉

 

 

 

そうこうしているうちに院長先生に説明が替わった。

先生の顔を見るとさらに涙が溢れてきて

胸に渦巻いていた不安がとめどなく溢れ出た。

 

「全然受け止められない…!

 怖い…母親失格だ…!!」

 

と泣きじゃくった。

 

先生は優しく笑って「それでいいのよ」 と言ってくれた。

 

「自分達の赤ちゃんの命のことやもん、

 それだけ悩んで、受け止めようとして

 大切に思っている証拠じゃないかな?」

 

そして

 

「この子は今も奇跡を起こしてる。」と。

 

 

奇跡?今も?

元気に動いているお腹にそっと手を当て

話を聞きました。

 

 

イラストが多くなり表示が遅くなってしまうので

中途半端なのですが

280日後に会いたかったあなたへ⑥に続きます。