兼業主婦マツノの日毎夜毎

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280日後に会いたかったあなたへ17

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※死産に関する記事です。今回羊水の描写などもありますので

ご理解のある方のみご覧ください※

 

 

前回の280日後に会いたかったあなたへ16は

こちらからご覧いただけます。

⇩⇩

 

 

www.matsunomatsuno.com

 

 

 

それ以前の死産に関する記事は

右サイドバーの死産カテゴリーから全てご覧いただけます。

 

 

 

 

 

それでは続きます。⇩⇩

 

 

 

 

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息子に向けて日記を書く

 

 

お腹の痛みに耐えながら、居ても立っても居られない私は

11日前からつけ始めた日記を書きました。

その時綴っていた気持ちがこうです。

 

“痛い。この痛みを乗り越えてもとも君の産声が聞けない。

お母さんは耐えられるかな。坊ちゃんもお父さんもいなくて

2人っきりになると涙が出てしまうね。

もう、ずっとお腹にいたらいいよ。

この痛みがずっと続いてもいいから

お母さんはあなたとお別れしたくない。”

 

自分が勤務していた病院だったので

何人か、励ましにきてくれたけど

あまり記憶にありません。

 

きっとひどい顔で無理やり笑ったのでしょう。

 

「ママさん落ち着いてるね」

 

訪室する度に看護師さんが

私にこう言いました。

 

これから、もうお腹の中でなくなっている

我が子を産むのに、痛みに耐えても

産声さえ聞けないのに落ち着いてるわけない。

 

持続している微弱陣痛と溢れてしまう涙で

結局合間合間にウトウトとしただけで朝を迎えました。

 

 

 

 

 

 

 

確実に迫りくるその瞬間

 

 

朝、段違いで強くなっている陣痛で

目が覚めました。

まだ、子宮口を広げただけで

促進剤も始めてないのに…

 

張りはあまり伴っていない。

でも規則的に陣痛がきている。

 

そう思いスマホアプリで陣痛間隔を測定してみると

なんと1分半でした。

すぐにナースコールをすると

「張ってもないのにまだ産まれませんよ〜」

と内診もせずに言われました。

 

「そうなんだ…結構、痛いけど…我慢…

   でももういきみ逃ししないといけないといけないくらい…」

 

看護師さんが去ってから5分も経たないうちに

その時はやってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破水、その時見たものは

 

 

 

 

『プツン』

 

とお腹から音がしたかと思い

目をやると同時に

あの、嫌な感覚が足元を伝いました。

 

 

ああ、破水だ。

 

瞬時にそう悟った私は意外と冷静でした。

 

というのも私は坊ちゃんの時も

子宮口全開より先に破水が起きたため

この後どのようにお産が進んでいくかを知っていたからです。

 

だから…

目を疑いました。

 

坊ちゃんのときの破水と全く違ったからです。

 

そして、10日前に大阪で羊水検査をしたときに見た

あの綺麗な羊水の色と全く違いました。

 

黒に近いような、

茶緑色の濁った羊水。

 

目眩がしました。

 

“ああ、違うんだ。本当に、この子は生きていないんだ。

私がいつまでもお腹にいて欲しいと思っても

こんな濁った羊水の中では…居心地も良くないよね…”

 

悲しくて、寂しくて、痛くて

もうすぐそこにとも君との別れが待っている事実に

目を背けずにはいられませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

LDR室に移動、そして。

 

 

 

 

個室からLDR室にベッドで移動します。

 

葬儀屋や自宅の整理などを

1人で行ってくれていたヤサさんが

病院に到着した頃には

羊水も沢山出て、お腹の容量が減ったからか

一度陣痛も遠のいていました。

 

それなら、みんなでとも君を

迎えられるようにと

坊ちゃんを保育園に迎えに行こうとヤサさん。

 

トイレに立とうとしたその時。

 

また、急激にいきみたくなるような

陣痛の波がやってきました。

 

汚い話ですが便意かな?と思っていて

(陣痛時あるあるです)

 

でも、明らかに違う下腹部の感覚に戦慄しました。

 

 

待って。

待って。待って待って!

 

「ヤサさん!いかないで!もう間に合わない!」

「もう…生まれる!!!!」

 

 

もう、いきんだらすぐに出てきてしまいそうな

触れられる位置に我が子はいました。

 

だめ、まだ出てきたらダメだよ。

綺麗に産んであげたいんだよ。

 

しゃがみ込み、震える声で

「もう、触れてしまうから…看護師さんを呼んできて。」

 

急いでナースコールを押し

私に駆け寄ってくれたヤサさん。

 

すぐに、看護師さんが何人かきて

トイレに座り、触れる部分を確認されました。

 

「もう、赤ちゃん出てきたがってるね。 

 ママさんもういきまないでね。卵膜が触れちゃうね。」

 

やっぱり…

もう、産まれちゃうんだね。

嫌だ…まだ、一緒にいたい…

 

気を抜いたらいきんでしまいそうな感覚を

必死に落ち着かせながら

看護師さんとヤサさんに担がれながら

分娩台に上がりました。

 

先生と助産師さんが呼ばれ

バタバタと準備が進められます。

 

怖い、誰か助けて。

でも、ちゃんと産んであげたい。

私しか、それはできない。

 

いよいよ、産声のない出産に

臨む時がやってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

280日後に会いたかったあなたへ18に続きます。

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